●45haの敷地を購入し、EV向け円筒型バッテリーを生産する計画
●同社はBMW、ダイムラー、JRLなどと取引実績
中国のEVEエナジー(恵州億緯鋰能)は3月29日、ハンガリー北西部のデブレツェンにおける工場用地の取得で同市不動産開発公社と基本合意したと発表した。事業国際化の一環で、電動車(EV)用バッテリーの需要拡大をにらみ、欧州現地生産に向けた布石を打つ狙いだ。具体的な投資額や日程などは明らかにされていない。
EVEの発表によると、デブレツェンの工業団地内で45ヘクタールの敷地を購入し、新しいタイプのEV向け円筒型バッテリーを生産することを検討している。デブレツェン市のラースロー・パップ市長は、EVEと交渉している事実を認めたが、まだ完了していないとコメントしている。
EVEはEV、プラグインハイブリッド車のほか、電機・電子機器向けのリチウムイオン電池を手がけ、深セン証券取引所に上場している。デブレツェンでEV工場を建設中の独BMWのほか、同じくドイツのダイムラー、英ジャガー・ランドローバー(JRL)などと取引がある。投資銀行の東呉証券によると、昨年時点で生産能力は28.5ギガワットに上った。
デブレツェン南経済地区の工業団地へは、中国の上海恩捷新材料科技(上海エナジー)と韓国のエコプロBMが進出計画を明らかにしている。政府は同経済区の開発に向け1,000億フォリントを支出する予定だ。