●競合エリクソンより1歩踏み込んだ格好
●ロシアの売上比率は低く、業績見通しに影響はない
電気通信設備大手のノキアが12日、ロシアから撤退する方針を明らかにした。ウクライナ戦争が理由で、前日に同国事業を無期限で停止した競合のエリクソンよりも一歩踏み込んだ格好だ。
ペッカ・ルンドマルク最高経営責任者(CEO)はロイター通信に対し、人道的な理由などによって制裁から除外されている分野もあるが、「現状では事業継続の可能性はない」と話した。制裁の対象となっていない通信基幹インフラについては、サポート継続に必要な免許の取得を急いでいる。なお、昨年発表したロシア企業ヤドロとの合弁計画は中止する。
ノキアは撤退に伴い、約1億ユーロの引当金を計上する。しかし、2021年売上高に占めるロシアの割合が2%未満にとどまり、他の地域での需要が急速に拡大していることから、今年度の業績見通しは修正していない。
通信設備業者では、中国の華為技術(ファーウェイ)も先週、ロシアでの業務を停止した。米国が自国製部品を用いた製品のロシア輸出を禁じ、この規定に違反した企業を制裁対象とする方針であることを踏まえた判断とみられている。
モスクワの調査会社モバイル・リサーチ・グループのエルダル・ムルタジン氏によると、ロシアの移動通信基地局の80%が、華為技、モトローラ、ノキアのいずれかの設備だという。