●全長4,250キロのエルティシ川と北極海航路を連携
●ロシア・カザフ・中国を結ぶ河川輸送の活発化を期待
中国の新疆ウイグル自治区を源とする全長4,250キロのエルティシ川が、ロシアとカザフスタンの外交議題に浮上している。ロシアが開拓する北極海航路と連携し、河川貨物輸送を拡大できるという読みだ。
ロシアのオムスク州とカザフスタンのパヴロダル州の州知事は今月中旬、河畔に貨物港を建設する可能性について意見を交換した。実現に向け、オムスクの投資家がすでに総額1億ルーブル(125万米ドル)の資金を用意している。実現すれば、フォワーダーの経費が30%減少するという。
現在、エルティシ川を利用してオムスク州からカザフスタンへ木材・材木を、逆にカザフスタンからオムスク州へは砕石、砂と砂利の混合物、塩などが輸送されている。その量は年間15万トン前後だが、パヴロダル州のスカコフ知事によると、以前は50トン、100トン程度の規模だったという。
オムスク州は今年の北極海航行シーズンに、エルティシ川を南下してカザフスタン、中国へ向かう試験輸送を実施する方針だ。
エルティシ川はロシアとカザフスタンを通ってオビ川に合流し、北極海へつながるオビ湾にそそぐ。河川輸送を活発化できれば、カザフスタン、中国発着の貨物を北極海航路と組み合わせて運ぶことができる。(1RUB=1.69JPY)