●工場では「乳牛5万頭相当」の代替乳パウダーを生産
●資源の利用効率は高く、持続可能な食品生産の実現に期待
イスラエルのフードテック企業リミルク(Remilk)は4月26日、デンマークのカロンボー工業団地に代替乳工場を設置すると発表した。環境意識の高まりを受けた需要拡大に対応する。事業資金はすでに今年1月に調達済みだ。
新工場の面積は約7万平方メートル。「乳牛5万頭に相当する」代替乳パウダーを生産する。製品は、チーズ、ヨーグルト、アイスなどの原料となる。
リミルクは2019年の創業。酵母ベースの発酵技術で「化学的には牛乳・乳製品に含まれるものと同一」のタンパク質を生産する。アヴィヴ・ヴォルフ最高経営責任者(CEO)によれば、同社の製品は「味や食感、なめらかさ、とろける感覚のどれをとっても牛乳と同じ」で、「『本物』と違うのは、乳糖、コレステロール、成長ホルモン、抗生物質が含まれない点だけ」だ。
一方で、酪農に比べて利用効率は「土地で最大100倍、飼料で25倍、時間で20倍、水で10倍」高く、持続可能な食品生産を実現できると胸を張る。
リミルクは工場建設を通じ、カロンボーで50年前にスタートした官民循環経済プロジェクト「カロンボー・シンバイオシス」に加わる。同プロジェクトでは、企業・公共機関が活動の過程で出る資源やエネルギーを相互に利用しあうことで環境負荷を削減することに取り組んでいる。