ハンガリー中銀が政策金利を1ポイント引き上げ、利上げは11会合連続

●3月のインフレ率は8.5%

●中銀は厳格な金融政策を長期間維持と表明

ハンガリー中央銀行は4月26日、政策金利を1ポイント引き上げ、5.4%にすると発表した。利上げは11会合連続。ロシアのウクライナ侵攻によりインフレリスクが高まる中、積極的な引き締め策を継続する。

政策金利の下限となる翌日物貸出金利は4.4%から5.4%に、上限となる翌日物、7日物有担保付貸出金利は7.4%から8.4%に引き上げた。

同国の3月のインフレ率は前月から0.2ポイント増の8.5%となり、12カ月連続で中銀の上限目標値(4.0%)を上回った。これは2007年5月(8.5%)と同等の水準。世界的な商品価格やエネルギー価格の高騰にウクライナ戦争が拍車をかけている。中銀は今後について、ウクライナの戦局や対ロ制裁の影響、政府の非常時対応に左右されるとしたうえで、インフレ率は今後数か月にわたり上昇するものの、来年には許容範囲である3.3~5%に低下し、24年上半期に目標値の3%に到達するとの見方を示した。

中銀は声明で、ロシアとウクライナの戦争は「世界経済の見通しを根本から変え」ており、両国に地理的に近い中東欧地域は特に影響が大きいと指摘。増大するインフレリスクを抑え込むため厳格な金融政策を長期間維持するとともに、物価や市場の安定に向けてあらゆる手段を講じるとしている。

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