イスラエル投資ファンド、政府機関と培養魚魚肉ベンチャー設立

●新ベンチャーは需要が高いナイルティラピアの培養に取り組む

●資源乱獲と世界的な人口増加への対応策として期待

イスラエルの上場投資ファンド、バイオミート・フードテックはこのほど、農業省附設の国立農業研究開発機関であるボルカニ・センターと提携し、培養魚肉ベンチャー会社、Eフィシエント(E-FISHient)を立ち上げた。乱獲漁業による海洋生態系の破壊と世界的な人口増加への対応策として、健康的で環境に配慮した高品質の魚肉の培養生産を目指す。

Eフィシエントは食肉の培養で通常使用される血清成分を使わず、世界的に需要が大きいナイルティラピアの培養に取り組む。バイオミート・フードテックは同社の出資シェア90%を保有し、事業開発に関与するとともに事業資金を提供する。ボルカニ・センターは設備や人材の面から培養生産を支援する。

イスラエルは代替タンパク食品産業の主導国としての基盤を強化するため、革新的なフードテック産業の育成に力を入れている。4月には培養肉を開発する大規模なコンソーシアムにイノベーション庁が1,800 万ドルの助成を決めた。魚介類の分野では、未来のタンパク源と期待されるスピルリナ藻を使ったスモークサーモンの開発に取り組むシンプリーグッド(SimpliiGood)もスタートアップ企業として注目されている。

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