ウエスチングハウス、ブルガリアBEHに長期エネルギー貯蔵技術を納入

●再可エネを補完し、安定した電力供給を実現する目的

●蓄電能力は2GWh、CO2排出量を年間最大70万トン削減

米ウエスチングハウスは5日、ブルガリアでの長期エネルギー貯蔵技術(LDES)の設置について、国営ブルガリア・エナジー・ホールディング(BEH)と基本合意を結んだと発表した。再生可能エネルギーを補完し、安定した電力供給を実現する目的だ。欧州連合(EU)の環境政策「欧州グリーンディール」で目指す、二酸化炭素(CO2)排出削減に貢献する。

ウエスチングハウスはグループ会社の開発した昇温式蓄熱発電(PTES)設備を2基設置する。蓄電能力は合わせて2ギガワット時(GWh)に上る。天候などに左右される再可エネの不安定さを補い、同エネの利用促進に貢献する。CO2排出量を年間で最大70万トン減らせるという。

BEHのイヴァン・アンドレエフ最高経営責任者(CEO)は、「風力・太陽光などに由来する低コスト電力を大量かつ長期間貯蔵できる技術を活用することで、再可エネ比率の高い電力安定供給システムを経済的に構築できるようになるかもしれない」と期待感を示した。

ウエスチングハウスによると、PTESは10時間以上、電力を確実に供給できる。耐用年数は50年以上だ。安価で豊富な材料を用いる点でも、一般の蓄電技術より優れているという。

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