2022/5/25

自動車

ロシアが新車の安全・環境基準を緩和、部品不足で

この記事の要約

●エアバッグ、ABS、シートベルト固定部品などが義務から外れる●触媒装備の任意化により、事実上、排ガス制限なしにロシア政府が12日、新車の安全・環境基準の時限的緩和を閣議決定していたことが、17日までに明らかになった。ウ […]

●エアバッグ、ABS、シートベルト固定部品などが義務から外れる

●触媒装備の任意化により、事実上、排ガス制限なしに

ロシア政府が12日、新車の安全・環境基準の時限的緩和を閣議決定していたことが、17日までに明らかになった。ウクライナ侵攻で発動された制裁によって、部品が調達できなくなっているためだ。基準緩和措置の期限は来年2月1日までとなっている。

閣議決定によると、エアバッグと、シートベルトのプリテンショナーが必須装備から外れた。また、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)、ESC(横滑り防止装置)、エマージェンシー・シグナル・システムも義務ではなくなる。

環境基準では触媒の装備が任意となった。触媒が輸入できないためで、事実上、排ガス制限がなくなることになる。これは、1988年に適用されていた基準並みという。

ロシア政府は今月初め、自動車・部品などを含む数百種の品目について、知的財産権所有者との合意なしに輸入することを認める決定を下した。欧州などからの制裁を迂回する狙いだ。

プーチン大統領は制裁の影響が限定的であるという立場を繰り返し表明しているが、専門家は経済への打撃が深刻化するのはこれからとみている。