ポーランドのメディアグループ、水素燃料バスを開発

●「ネソバス」の水素消費量は100キロメートル当たり8キロ

●年間100台の製造に加え、水素の生産・供給も手掛ける考え

ポーランドのメディアグループ、ポルサットプラス(Polsat Plus)が5月末、自社開発の燃料電池バス「ネソバス(NesoBus)」のプロトタイプを披露した。来年、国内東南部スフィドニクの工場で量産を開始する計画で、年間100台の生産を目指す。車両製造に加え、水素の生産・供給も手掛ける考えだ。

「ネソバス」は、ポルサット株主のジグムント・ソロシュ氏が保有する電力会社ZE PAKとの共同事業で、同社が太陽光、風力などの再生可能エネルギーを利用しグリーン水素を生産する。車両・インフラ開発には国内エンジニアに加え、イタリアの設計会社トリノデザイン、カナダの燃料電池大手バラード、ノルウェーの水素貯蔵技術大手キサゴンなど国際企業が参加している。

「ネソバス」は車長12メートルで座席数は37席、最大乗客数は83人。水素消費量は100キロメートル当たり8キロと燃費が良く、満タン(37.5キロ)での航続距離は約450キロメートルを確保している。水素充填時間は約15分。国内外での実地テストを経て、4月に欧州連合(EU)バス車種認定を取得した。

ポーランドの燃料電池バスで先行するソラリスはドイツ、イタリア、オランダ、スウェーデンのバス会社に60台超を供給済みで、今後数年間に納品予定の受注数は100台を超える。国内ではポズナン市交通会社が22台発注したが、水素調達コストが高すぎるため解約を決めたもようだ。「グリーン公共交通」プログラムが助成する地方自治体の排出ゼロバス導入及びインフラ整備プロジェクト(67都市)には、燃料電池バス48台、水素充填スタンド2が含まれている。

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