●英国初のリチウム精製工場を設置し、イノバットに供給
●イノバットのギガファクトリー計画を英社は支援
スロバキアの電気自動車(EV)用電池メーカー、イノバット(InoBat)はこのほど、英国のバッテリーメーカー、グリーンリチウムと戦略提携することで合意したと発表した。グリーンリチウムは英国内に同国初となるリチウム精製工場を設置し、イノバットに精製リチウムを供給する予定。両社は今回の提携により、バッテリーの原料から製品までを含むバリューチェーンを英国内に構築することを目指す。
グリーンリチウムはイングランド北部に工場設置を計画している。新工場は2024年に稼働を開始し、26年のフル稼働後は精製リチウムを年間5万トン生産する。リチウム原料は資源商社トラフィギュラから調達する予定。
イノバットは2024年までに英国を含む西欧全域で複数のギガファクトリーを展開することを計画しており、グリーンリチウムはそれに協力していく。
イノバットは新薬候補の化合物を迅速に選択する技術であるハイスループット・スクリーニング(HTS)と人工知能(AI)技術を用いてバッテリーの個別生産を行うことにより、乗用車、商用車、モータースポーツ向け車両、航空機など目的に応じたセルの選択を可能にしている。同社はスロバキアに研究開発や試験生産のハブ拠点を持つ。
イノバットには豪資源大手リオ・ティント、印バッテリーメーカーのアマラ・ラジャ、EVインフラなどを手掛けるイデアノミクス(Ideanomics)が出資している。