●価格は「市場最安値」の67万5,900ルーブル(1万1,300ユーロ)
●制裁による輸入部品不足のためABSなど装備せず
ロシア自動車最大手のアフトワズが新型「ラーダ・グランタ・セダン」を発売する。欧米による制裁の状況下でも生産できる仕様だという。同社によると、価格は「市場最安値」の67万5,900ルーブル(1万1,300ユーロ)。「インフレに苦しむロシア市民の痛みを和らげるのに役立つ」とみている。
新型グランタは、国産部品に頼っているため、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)やプリテンショナーシートベルト、カーナビなどが搭載されていない。マクシム・ソコロフ新社長は8日の工場再稼働に際し、「輸入部品不足に左右されない形で、今後も安価で人気のモデルを作っていく」と話した。
アフトワズは3月にトリヤッチ本社工場の稼働停止を余儀なくされた。先月には親会社だった仏ルノーがロシア政府系の研究所に持ち株67.7%を譲渡している。
2月のウクライナ侵攻でロシア自動車産業は特に強い打撃を受けた。輸入部品への依存度が高かったためだ。コストは高騰し、メーカーは高性能な技術を海外から調達できなくなった。(1RUB=2.33JPY)