チェコ国営電力、原子力プラント企業シュコダJSを完全買収

●同社株はこれまでガスプロムの関連企業が保有

●全株取得により、シュコダJSが対ロ制裁の対象となるのを回避

チェコ国営電力会社CEZは17日、同国の原子力プラントエンジニアリング企業、シュコダJSを完全買収したと発表した。同社の株式はこれまで、ロシア国営ガスプロムの金融子会社ガスプロムバンク傘下のエンジニアリング企業OMZの関連企業が保有していた。シュコダJSはCEZの原子力燃料の製造や一次系統のメンテナンスを担っている。CEZが全株を取得することでシュコダJSがロシアに対する経済制裁の対象となるのを回避し、事業の継続を可能にする。

CEZは今回の買収そのものが制裁対象となることを避けるため、中欧諸国を対象に投資を行う投資銀行のウッド・アンド・カンパニーを経由して株式を取得することで独禁法当局の審査を回避した。

シュコダJSは原子力発電所の設備や機材、サービスを提供する。これまでにロシア型加圧水型原子炉(VVER)の「440型原子炉」21基や「1000型原子炉」3基を建設してきた実績がある。海外を主な市場とする同社の年間売上高は35億コルナから40億コルナ(1億4,140万~1億6,160万ユーロ)で、従業員数は約1,000人。(1CZK=23.55JPY)

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