ガスプロムがスロバキアへの供給量を削減、ルーブル払い履行の直後

●ロシアの求めるルーブル建て払いを履行した直後のタイミング

●SPPは来冬向けの備蓄の充填が遅れる可能性に言及

スロバキアの国営ガス供給事業者SPPは20日、ロシア国営ガスプロムが同国への天然ガス供給量を半減させたことを明らかにした。スロバキアと周辺諸国がロシアの求めるルーブル建てでのガス料金支払いを履行した直後のタイミングでの供給削減となる。

ガスプロムは14日にバルト海の海底を通る「ノルドストリーム1」パイプラインを経由する天然ガスの供給量を絞る方針を明らかにしていた。スロバキアの他ドイツ、チェコ、オーストリア、イタリア及びフランスでもこれに前後して供給削減が確認されている。SPPによると、ウクライナを通る「ドルジバ(友好)パイプライン」による輸送量が減らされた模様だ。

スロバキアのエネルギー専門家カロル・ヒルマン氏によると、プーチン大統領の目標は欧州連合(EU)全体へのガス供給を全面的に停止することにあり、今回の削減措置などを通して市場や個々のEU加盟国の動向を見極めようとしている。

SPPはガス供給量の減少による家庭や企業への影響は当面ないとしているが、来冬向けの備蓄の充填が遅れる可能性があるとの見方を示している。

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