●ブルガリアは議長国フランスの仲介案を受け入れ、歩み寄った
●マケドニア側は求められている条件に反発
ブルガリア議会は24日、北マケドニアと欧州連合(EU)の加盟交渉開始に対する同国の拒否権発動を取り下げることを決議した。ブルガリアは歴史認識などを巡る対立から、北マケドニアのEU加盟に反対していたが、EU議長国フランスの仲介案を受け入れ、歩み寄った。
EUは2020年3月の首脳会議で、加盟候補国となっている北マケドニアとの加盟交渉開始を正式承認した。しかし、交渉の枠組みを決める段階でブルガリアが拒否権を発動し、交渉開始は先送り状態となっている。
ブルガリアと北マケドニアは地理・文化的に密接な関係にある一方で、歴史認識の問題を抱えている。とくに大きな焦点となっているのが、マケドニアの言語名をめぐる問題。ブルガリアはマケドニア語をブルガリア語の方言と主張し、「マケドニア語」の存在を否定している。
議長国フランスは、◇北マケドニアはマケドニア語のルーツがブルガリア語にあることを認める◇北マケドニアは国内のブルガリア系少数民族の存在を憲法で認める――などの仲介案を提示。これをブルガリア議会が受け入れ、賛成多数で拒否権取り下げの決議を採択いた。
ただ、マケドニア側は求められている条件に反発しており、方針を転換して応じなければブルガリアが拒否権発動を継続し、加盟交渉開始が先送りされることになる。