ボルボ・カーズ、スロバキアEV工場設置に12億ユーロを投資

●同社が欧州に新たな生産拠点を設置するのは約60年ぶり

●新工場のEV年産能力は最大25万台

スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは1日、スロバキア東部のコシツェ近郊に電動車(EV)工場を建設すると発表した。年産能力は最大25万台。2023年に着工し、26年に量産を開始する予定だ。約12億ユーロを投資する。このうち2億6,700ユーロを政府助成でまかなう。

新工場はEV需要の継続に対応し、将来の成長を図る措置だ。ボルボ・カーズが欧州に新たな生産拠点を設置するのは、ほぼ60年ぶりという。具体的にどのモデルを生産するのかは明らかにされていない。

ボルボ・カーズは2030年までにEV専業化、40年までに炭素中立(カーボンニュートラル)実現を目指している。生産事業に限っては25年の達成を予定しており、スロバキア工場も必要な電力をすべて再生可能エネルギーでまかなう。

スロバキアではすでに自動車メーカー4社が進出しており、ボルボでは、これまでに築かれた確かな部品供給ネットワークが新拠点の力となるとみている。

ボルボ・カーズは中国・浙江吉利控股集団(Geely)の一員だ。スウェーデンのイェーテボリ本社に開発、マーケティング、経理機能を置く。生産は、イェーテボリ近郊のトースランダと、ベルギーのゲント、米サウスカロライナ、中国の成都、大慶、泰州で行っている。

現在の年間販売台数は60万台(「ポールスター」ブランドを含めると70万台)だが、2025年までに120万台の達成を目指している。トースランダ工場では、次世代EVの生産に向け、総額100億スウェーデンクローナ(約9億6,000万ユーロ)の投資計画が進行中だ。

研究開発・設計はイェーテボリ以外に、米カリフォルニア州カマリロと、上海の拠点でも手がけている。

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