貨物ドローンのドロナミクス、豪クイックステップに生産を委託

●大型ドローン「ブラックスワン」を年数百機出荷する予定

●ドロナミクスはEUで初めてUAVによる貨物輸送事業の免許を取得

貨物ドローンの製造・運営を手がけるブルガリアのドロナミクスは18日、豪州の航空機エンジニアリング・製造会社クイックステップ・ホールディングスと基本合意書を交わしたと発表した。自社の大型ドローン「ブラックスワン」の量産化が目的だ。クイックステップにエンジニアリング・生産業務を委託する。

両社は来年から生産を本格化し、その後4年間にわたり、毎年「数百機」を出荷する予定だ。また、ドロナミクスは来年、豪州で同国産のブラックスワンを活用した中距離貨物空輸サービスを開始する。

ドローン物流分野では、短距離用の小型ドローンに照準を定める企業がほとんどだ。しかし、ドロナミクスは、商品が届くまで何日もかかっている遠隔地向けで迅速配達のニーズが特に高いと判断。その需要を掘り起こせるよう、最大航続距離2,500キロ、最大載荷量350キロの「ブラックスワン」を開発した。

ドロナミクスは今年5月、欧州連合(EU)で初めて、無人航空機(UAV)による貨物輸送事業の免許を取得した。輸送ネットワークの構築に向けて域内の空港運営事業者と交渉を進めている。商業化に向けては十分な数のドローンを生産できるかが大きな課題となっていたが、今回のクイックステップとの提携によってハードルがクリアできたとドロナミクスではみている。

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