2022/7/20

総合・マクロ

欧州委が対ロ追加制裁案を発表、金輸入禁止で日米などと共同歩調

この記事の要約

●金はロシアにとり天然ガスや原油に次ぐ主要な輸出品目●軍事転用可の先端技術の輸出制限強化なども柱欧州委員会は15日、ウクライナに軍事侵攻したロシアに対する追加制裁案を発表した。ロシアからの金の輸入を禁止するほか、軍事転用 […]

●金はロシアにとり天然ガスや原油に次ぐ主要な輸出品目

●軍事転用可の先端技術の輸出制限強化なども柱

欧州委員会は15日、ウクライナに軍事侵攻したロシアに対する追加制裁案を発表した。ロシアからの金の輸入を禁止するほか、軍事転用できる先端技術の輸出制限を強化することなどが柱。18日に開く外相理事会で協議し、早期の実施を目指す。

ロシア産の金をめぐっては、主要7カ国(G7)が6月下旬の首脳会議で輸入制限に合意し、既に日米英とカナダが禁輸を正式決定している。ロシアにとって金は天然ガスや原油に次ぐ主要な輸出品目。西側諸国が足並みを揃えて禁輸に踏み切ることで、プーチン政権の資金源に打撃を与える狙いがある。

欧州委は追加制裁について、欧州連合(EU)がこれまでに正式決定した石油や石炭の輸入禁止を含む対ロ制裁の効果を高めるのが狙いと説明している。フォンデアライエン欧州委員長は声明で「ウクライナに対する残虐な侵略行為が続いているため、ロシアへの制裁を強化する。ロシアは高い代償を払い続けなけらばならない」と強調した。

欧州委は今回、対ロ制裁を2023年1月まで延長するとともに、1月末時点で一連の制裁の効果を検証する方針を示した。また、制裁対象になっているロシア政府や軍の関係者らに対する資産凍結の実効性を高めるため、加盟国に課す報告義務を強化することも提案した。

一方、ウクライナからの小麦などの輸出が滞っている現状を踏まえ、ロシアと第三国との農産物の貿易については制裁の対象としない方針を改めて表明した。