ロシア、秋から欧州ナンバートラックの乗り入れ禁止か

●EUによる同様措置への報復、8月1日までに関連政令案を策定予定

●ロシアの業界団体はこれまでに90億ルーブルの損害と主張

ロシア国営インタファクス通信によると、ロシアは10月から欧州ナンバートラックの入国を禁止することを検討している。ウクライナ侵攻を受けて、欧州連合(EU)が4月にロシアナンバーのトラックの入域を禁じたことに対する報復措置とみられる。運輸省が8月1日までに関連政令案をまとめる。

ロシア国際トラック輸送業者連盟(RAIRC)は6月初め、欧州運輸業者に対する制裁を発動するよう、プーチン大統領に請願した。ロシアナンバー車のEU乗り入れ禁止によって業界がこうむった損害は同月初めまでに90億ルーブル(1億5,000万米ドル)に上ったとしている。また、制裁によって欧州の運送業者が「市場独占的立場を悪用し」ロシア発着の運送料金が制裁前の4~5倍に跳ね上がっていると主張している。

ベラルーシはすでに4月16日から欧州ナンバートラックの入国を禁じており、欧州の輸送業者は国境で貨物を積み替えたり、台車を連結し直したりして対応している。ロシア国境を越えられなくなれば、同じように対処しなければならなくなる。

ロシア経済紙『コメルサント』はこの「ベラルーシ方式」は実際的ではないとみている。積み替えや連結し直しの時間と手間を省くため、ロシア輸送をベラルーシ経由からバルト諸国経由に切り替えている欧州運輸業者が少なくないためだ。

また、新たな制裁が発動されたとしても、全体としてEU・ロシア間の貿易が減っている現状では、運輸業界の不景気の打開にはつながりそうもない。(1RUB=2.48JPY)

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