ガスプロム、ラトビアへのガス供給停止

●ラトビアのエネルギー消費全体に占めるガス比率は27%程度

●バルト3国は来年、ロシアからのガス調達を止める計画

ロシア天然ガス最大手の国営ガスプロムは1日、ラトビアへのガス供給を停止したことを明らかにした。同国が購入条件に従っていないというのが理由だ。ラトビア政府は、ガス調達でのロシア依存度は高いが、エネルギー消費全体に占めるガス比率は27%程度のため大きな影響はないとしている。同国を含めバルト諸国は来年、ロシアからのガス調達を止める計画だ。

ドイツなどロシア産ガスの依存度の高い欧州連合(EU)加盟国は、ロシアがウクライナ戦争による制裁の報復としてガス供給を停止していると強く非難。ガスプロムがロシア通貨ルーブルでの決済を求めるのは契約外の要求だとこれを拒否している。ラトビアも引き続きユーロで決済していた。

ウクライナ戦争を背景に、欧州ではロシア産ガスをめぐる状況が緊迫している。ガスプロムは7月末、バルト海経由で欧州に至るガスパイプライン「ノルドストリーム」の供給量を約2割減らすことを決めた。ブルガリア、フィンランド、ポーランド、デンマーク、オランダに対してはルーブル決済をしないという理由ですでに供給を停止。米シェルの独子会社への販売も停止した。EUは液化天然ガス(LNG)をノルウェー、米国、カタールから輸入する方針に切り替えている。

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