●最大荷重350キロの「ブラックスワン」を提供
●プロジェクト「シーラス(CAELUS)」には16機関・企業が参加
ブルガリアの貨物輸送ドローンの製造・運用会社ドロナミクス(Dronamics)は2日、英国初となる医療分野でのドローン配達サービス開発プロジェクト「シーラス(CAELUS)」に参加すると発表した。スコットランドで医薬品、血液、臓器、医療用品のドローン輸送ネットワークを開発し、実証試験する。英国研究・イノベーション機構(UKRI)から1,000万ポンド(約1,200万ドル)超の援助を受ける。
プロジェクトにはAGS(グラスゴー・アバディーン空港グループ)の主導のもと、スコットランドの国民保健サービス(NHS)、地元ストラスクライド大学、全国航空交通サービス(NATS)など16機関・企業が参加する。ドロナミクスは中距離緊急輸送の実証に大型ドローン「ブラックスワン」を提供する。同機は最大荷重350キロ、航続距離2,500キロメートルで、短い滑走路で離着陸できるため僻地などの輸送に適している。2024年中の試験完了を予定する。
ドロナミクスは昨年、独郵便・物流大手ドイツポストDHLと、中距離輸送向けドローン配達ソリューションの共同開発と「ブラックスワン」での当日配達サービスの提供で提携合意。今年5月にはマルタ民間航空局(TM-CAD)から、中距離貨物輸送用の軽量無人航空機(UAS)の事業者認定(LUC)を取得し、欧州連合(EU)域内での事業が可能になった。「シーラス」への参加は英国市場進出の絶好の機会とみている。