トルコの7月インフレ率79.6%、14カ月連続で上昇

●昨年5月からの上げ幅の合計は63.01ポイントに達する

●中銀は政策金利を14%に据え置いている

トルコ統計局(TUIK)が3日発表した7月の消費者物価指数(CPI)の上げ幅は前年同月比で79.60%となり、前月の78.62%から一段と拡大した。これは1998年9月(80.4%)以来の高い水準。通貨リラ安が食料やエネルギーなどの輸入品価格の高騰を招いている。インフレ率の上昇は14カ月連続で、昨年5月(16.59%)からの上げ幅の合計は63.01ポイントに達する。

上昇率を分野別にみると、構成比重の最も大きい「食品・非アルコール飲料」で前月の93.93%から0.72ポイント増の94.65%に拡大。「アルコール飲料・たばこ」(11.67ポイント増の82.66%)、「医療」(9.1ポイント増の48.44%)とともに全体を押し上げた。一方、上げ幅が最も高い「運輸(自動車燃料含む)」は前月の123.37%から119.11%に縮小し、「住居費・公益料金」も5.13ポイント減の69.96%に低下した。上昇率は最も低い「通信」でも25.79%に上る。

同国の中央銀行は昨年9月に5ポイントの利下げを行って以来、政策金利を14%に据え置いている。高インフレ下で低金利を維持する異例の措置だが、リラは年初来、対米ドルで25%下落し、物価上昇に拍車をかけている。

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