2022/9/7

その他産業

三井物産と三菱商事のサハリン2権益、ロシア政府から承認

この記事の要約

●サハリン2の事業展開はロシア政府の方針次第●LNGの調達が不安定化する懸念は払拭されず三井物産と三菱商事が権益を持つ極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」について、ロシア政府は8月30日、新たに設立した運営会社に対 […]

●サハリン2の事業展開はロシア政府の方針次第

●LNGの調達が不安定化する懸念は払拭されず

三井物産と三菱商事が権益を持つ極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」について、ロシア政府は8月30日、新たに設立した運営会社に対する両社の出資申請を承認した。両社は25日に新会社への出資継続を決定し、同日中にロシア政府に対し申請を行っていた。これにより両社の権益はひとまず維持されたものの、同事業の展開が同国政府の方針次第であることは変わらず、液化天然ガス(LNG)の調達が不安定化する懸念は払拭されていない。

申請の承認を受け、三菱商事は1日、今後も計画通りLNGの生産と供給を行うとコメント。三井物産は8月31日のプレスリリースで、「国際社会が取る制裁措置を遵守」しつつ、安定供給の観点から日本政府などとも協議を続け、適切に対応する意向を表明した。

サハリン2には国営ガスプロムが50%プラス1株、英石油大手シェルが27.5%マイナス1株、三井物産が12.5%、三菱商事が10%を出資してきた。シェルは2月末に撤退を表明している。

サハリン2を巡ってはプーチン大統領が6月末、当時の事業主体であるサハリンエナジーから新会社に事業を移すとともに、保有するすべての資産の無償譲渡を命じる大統領令に署名した。8月初旬には新会社の「サハリンエナジーLLC」の設立を決定。これを受けて日本政府はサハリン2の権益維持を目指す方針を打ち出していた。