●エネルギーの脱ロシア化を再エネ活用拡大を通じて進める
●現在2.8GWの発電容量を30年までに20GWまで増やす
ドイツなどバルト海に面する欧州連合(EU)8カ国は8月30日にデンマークで開いた首脳会議で、洋上風力発電の発電能力を2030年までに7倍に増強することで合意した。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、エネルギーの脱ロシア化を再生可能エネルギー活用拡大を通じて進める。
同会議に参加したのはドイツ、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ポーランド、エストニア、リトアニア、ラトビア。これらの国々のバルト海上の風力発電の容量は現在、2.8ギガワット(GW)で、大半がデンマーク、ドイツに集中している。8カ国の首脳は30年までに20GWまで増やすことで合意した。
デンマークのフレデリクセン首相によると、20GWは現在のEU全体の洋上風力発電容量を上回り、2,000万世帯の電力を賄える規模という。50年までに93GWまで増やすことも目指す。
欧州委は5月、ロシア産天然ガスへの依存度を年末までに3分の2縮小し、2027年までにロシアからの化石燃料輸入を打ち切る方針を打ち出した。また、30年時点の再エネ比率目標を40%から45%に引き上げることも提案している。
首脳会議に参加した欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、「化石燃料をネタに我々を脅迫するプーチンの試みは失敗しつつある」と述べ、8カ国の合意を歓迎した。