南東欧の新興企業、「しぼっただけ」の無添加ジュースを販売

●「ジュースファスト」は投資家から計75万ユーロを獲得

●ジュースは高静水圧処理(HHP)技術で殺菌

クロアチア・スロベニア系のスタートアップ「ジュースファスト」が来月初め、営業を開始する。新鮮な青果を「しぼっただけ」の非加熱・無添加ジュースが商品だが、新型コロナ流行による健康な食生活やヘルスケアへの関心も追い風となっているという。

スタートアップを設立したのはダヴィッド、マルコのドラヴィネツ兄弟だ。2018年に近所の果物店「マリ・ヴルト(「小さな庭」の意)」で、しぼりたての果汁100%アップルジュースを「デトックス・断食用」として売るアイデアが生まれた。食事する時間を制限して消化器官を休ませる「インターバル断食」を支援する商品という位置づけだ。

この「しぼっただけのジュース」は二人の予想を超える人気を博した。しかし、考えてみると、その理由が分かったという。ダヴィッドさんは、「ジュース1本に使われる果物と野菜は1.5キロ。誰もが健康のために新鮮な食品を取った方がいいと知っている。でも、そのために果物や野菜を買って洗い、ジューサーにかけて後片付けもするとなると、続けられない人も多い」と話す。その穴を埋めるのが「ジュースファスト」で、忙しい現代人のお助け商品なのだという。

ジュースファストは地元のフィールスグッド(Feelsgood)・ファンドから50万ユーロ、その他の投資家から合わせて25万ユーロを調達した。フィールスグッドは、社会に良い影響を与えるプロジェクトに絞って投資しているが、ジュースファストについては◇健康な食品◇持続的農業の支援◇地元生産者との提携(国内で栽培できる青果は国内の農家のみから調達)――といった点から条件に合っていると認めた。

ジュースファストは高静水圧処理(HHP)技術で殺菌するジュース工場をスロベニア国境に近いラドゥチに置く。今後はスロベニア、オーストリア、ドイツ、イタリア、ハンガリーに進出する計画だ。長期的には米国市場も視野に入れる。

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