培養肉向け成長因子のバイオベター、1,000万ドルを調達

●同社の技術で1グラム当たり5万~50万ドルのFGF2相場が1ドルに

●2024年第1四半期中に生産を開始する計画

培養肉の生産に欠かせない成長因子を遺伝子組み換えタバコで作る技術を開発したイスラエルのバイオベター(BioBetter)が7日までに、Aラウンドの資金調達で1,000万米ドルを確保した。これまでに獲得した受注をこなすため、工場を設置して生産能力を強化する。

培養肉の普及に向けた大きな障害の一つは、成長因子の価格が高いことにある。例えば細胞の分裂・成長を促す塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF2)の相場は現在、1グラム当たり5万~50万ドルもする。しかし、バイオベターの技術を活用すれば、これが1ドルに下がるという。

バイオベターは、北部、高地ガラリヤ地方のテルハイ工業団地に大型のパイロット工場を設置する。2024年第1四半期中に生産を開始する計画だ。

アミト・ヤーリ最高経営責任者(CEO)は、タバコの利点として◇成長が早い◇年に何回も収穫できる◇害虫などに食べられない――といった点を挙げる。純植物性のため、動物愛護の観点からも問題がない。

今回の資金調達では、エルサレム・ベンチャーパートナーズ(JVP)とミルク・アンド・ハニー・ベンチャーズ、イスラエルイノベーション (IIA)が投資した。

上部へスクロール