ポーランドKGHM、SMR導入でルーマニア国営原発運営業者と提携

●天然ガス調達のロシア依存脱却に向けた一歩

●米ニュースケール社のSMR技術を導入

ポーランドの精銅大手KGHMとルーマニア国営の原発運営事業者SNニュークリアエレクトリカは6日、小型モジュール炉(SMR)の導入で提携することで基本合意した。ポーランドにとっては、天然ガス調達における対ロシア依存脱却に向けたさらなる一歩を意味する。

具体的には、3年間にわたり、SMRプロジェクトで得られた技術・経済・司法・財務・運営管理の各分野における知識やノウハウを共有する。立地選定から稼働に至るあらゆる段階で両社の経験を分かち合うことで、安全・堅固かつコスト効率の高いSMRプロジェクトの運営を目指す。

KGHMのマルチン・フルジンスキ最高経営責任者(CEO)は、原子力の活用が「エネルギー分野における独立と、コスト低下につながる」と話し、SMR技術の導入がポーランド経済の大きな支えになるとの考えを示した。

ニュークリアエレクトリカのコスミン・ギツCEOは、世界の国々がエネルギー安全保障の確保、脱炭素化目標の達成を目指すなか、SMRへの関心が高まっているという認識を示した。そして、ルーマニアが「欧州各国に先駆けて、現時点で国際的な型式認定を受けている唯一のSMRである、米ニュースケールのSMR技術開発に乗り出した」とし、「経験の共有などを通じてKGHMを支援していく」と抱負を語った。

ニュークリアエレクトリカは昨年11月、ニュースケールとSMR建設で提携。KGHMも今年2月にニュースケールと同様の提携を結び、2029年までに第1号機の稼働を目指している。

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