●電力はキロワット当たり最高6コルナ、ガスは3コルナに制限
●上下院の承認を経て、11月から上限が適用される
チェコ政府は12日の臨時閣議で、一般世帯および中小企業の電力・ガス料金に上限を導入する法案を承認した。エネルギー価格高騰にともなう国民の負担を軽減する狙い。一方、チェコが電力輸出国である事実を踏まえ、これを23、24日に控える地方・上院選挙対策とみる声もある。上下院が承認すれば、11月から上限が適用される。
法案によると、電力料金は1キロワット当たり最高6コルナ(約24ユーロセント)、ガス料金は3コルナに制限する。一般世帯と中小企業のほか、病院や学校などの公共施設も対象となる。政府の負担額は1,300億コルナ(約53億ユーロ)に上るとみられている。
政府は14日の閣議で、エネルギー価格の上昇で減益となった大企業についても負担軽減策を討議する。
チェコの8月インフレ率は17.2%に上った。当局では、エネルギー価格に上限が設けられれば、インフレ圧力が緩和すると予想する。政府は状況を注視し、段階的に上限価格を見直す姿勢だ。(1CZK=5.88JPY)