イスラエルの新興企業、新タイプのEVバッテリーを開発中

●化学的に操作したカーボン電極を用い、5分で100%充電が可能

●同社は今後「比較的短期間で」商用サイズのセルを製造する予定

イスラエルの新興企業エークシオン(EEXION)が電動車(EV)向けに新しいタイプのバッテリーを開発中だ。品不足や価格と並んで、バッテリーの性能や充電機会などがEV普及の障壁となっているが、同社のバッテリー技術ではその問題がほぼ解決できるという。

エークシオンによると、新タイプのバッテリーの名称は「エナジャイズエン・ゴー(Energize-N’-Go)」。化学的に操作したカーボン電極を用いることで、5分で100%充電が可能だ。現在、EVバッテリーとして一般的なリチウム電池と異なり、◇3万回の充放電後も容量が大きく変わらない◇使用後は炭素として簡単にリサイクルできる◇発火しづらい――といった特長がある。

「エナジャイズエン・ゴー」は現在、技術が機能することを証明した段階で、エークシオンは今後「比較的短期間で」商用サイズのセルを製造する予定だ。実験・認可取得を経て、自動車・バッテリーメーカーとバイロットプロジェクトを実施したいと意欲を燃やす。

今後の課題としては、リチウム電池の70%ほどにとどまるエネルギー密度の改善がある。これが解決されない限り、充電時間も短いが、航続距離も短いということになってしまう。

EEXIONは先月、開発資金として、シードラウンドで200万米ドルを調達した。イスラエルの投資会社キャピタル・ネイチャーがリードインベスターを務め、スイスに本拠を置く4WARD VC、米クライメート・キャピタル・コレクティブなどが投資した。

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