2022/10/19

自動車

現代自、ロシア事業の売却を検討

この記事の要約

●ウクライナ侵攻に起因するハイテク技術の調達困難が理由●27年までに総額6,400億ウォンをロシアに投資する計画だった韓国の現代自動車がロシア事業の売却を検討しているもようだ。ロシア軍によるウクライナ侵攻後、制裁措置や欧 […]

●ウクライナ侵攻に起因するハイテク技術の調達困難が理由

●27年までに総額6,400億ウォンをロシアに投資する計画だった

韓国の現代自動車がロシア事業の売却を検討しているもようだ。ロシア軍によるウクライナ侵攻後、制裁措置や欧米企業らの撤退でハイテク技術の調達が難しくなり、事業継続のめどが立たないことが背景にある。

18日付『東亜日報』が自動車業界の匿名筋の情報として伝えたところによると、取締役会が近く、ロシア事業の今後について決定を下す予定だ。選択肢の中に売却も含まれているという。

現代自は3月にロシア工場の操業を停止した。同国販売台数は1月の1万7,649台、2月の1万7,402台から7月には14台まで激減。8月と9月はゼロとなっている。

サムスン証券のアナリスト、イム・ウンヨン氏はロシア情勢に起因する現代・起亜グループの損失額が今年、少なくとも4,500億ウォン(3億1,500万米ドル)に上ると予想する。

韓国投資証券のアナリスト、キム・ジヌ氏は、「現代自が具体的にどう対応するかは明らかになっていないが、財務状況や、ロシア及び米国との関係など、ロシア撤退を理由づける要素がたくさんある」とコメントしている。

現代自はグループ企業の起亜自動車と合わせた生産台数で世界10位に入る。ロシアではグループ出荷総数の4%に当たる20万台前後を生産し、販売台数でルノーグループ(アフトワズ、日産、三菱)に次ぐ2位を占めていた。

現代自はまた、ロシアを重要市場と位置付け、現地生産能力の強化に務めてきた。2020年の米ゼネラル・モーターズ(GM)工場買収や、起亜工場の大規模改築などがその例だ。27年までに総額6,400億ウォンを投資する計画も実行中だった。投下資本が大きいだけに、撤退すれば痛手が大きい。

最近の大手企業のロシア市場撤退としては、業界企業であるトヨタ自動車と日産自動車の例が挙げられる。日産は先週、同国事業をロシア政府系機関に1ユーロで売却し、約1,000億円の特別損失を計上すると発表した。