●輸送ドローン「ブラックスワン」に水素燃料電池技術を搭載
●CAeSはドロナミクスとの提携により貨物輸送分野での商機に期待
ブルガリアの貨物輸送ドローン製造・運用会社、ドロナミクス(Dronamics)は11日、航空宇宙業界に温室効果ガス排出削減のソリューションを提供する英クランフィールド・エアロスペースソリューションズ(CAeS)との提携を発表した。ドロナミクスの長距離輸送用ドローン「ブラックスワン」にCAeSの水素燃料電池技術を搭載し、排出ゼロの貨物航空機の実現に取り組む。
「ブラックスワン」は最大荷重350キロ、航続距離2,500キロメートルで、短い滑走路で離着陸できる。効率よく環境への影響を抑え、値ごろな料金で長距離の同日配達を行うことが可能だ。燃費が良く、航空貨物便を含め他の輸送手段より最大60%排出削減できるという。医薬品、食品、部品業界、電子商取引など多様な分野の需要を見込む。
CAeSは現在、英航空機メーカーのブリテン・ノーマンの9人乗り航空機「ブリテン・ノーマン・アイランダー」向けに燃料電池ソリューションを開発している。ドロナミクスとの提携により、新たに貨物輸送分野での商機に期待する。
ドロナミクスは昨年、独郵便・物流大手ドイツポスト DHL と、中距離輸送向けドローン配達ソリューションの共同開発などで提携合意。今年5月には中距離貨物輸送用の軽量無人航空機(UAS)の事業者認定(LUC)を取得し、欧州連合(EU)域内での事業が可能になった。英国の医療品ドローン配達サービス開発プロジェクト「シーラス」にも参加している。