イスラエルの航空宇宙企業、24時間追跡が可能な衛星開発を進める

●現行の衛星の大半は目標物の追跡時間が最長でも1日12時間

●IAI は同国の宇宙プログラムの主力請負業者として衛星を製造

イスラエルの主力航空機メーカーのイスラエル・エアロスペースインダストリーズ(IAI)が、画像を毎日24時間提供できる衛星の開発を進めている。同社の宇宙プログラム責任者のシュロミ・スダリ氏が、11月6-7日にテルアビブで開かれた国内航空宇宙産業会議「Ramon Geoint 360」で明らかにしたもので、「オンデマンドの衛星システム」の必要性を訴えた。

スダリ氏によると、現時点の衛星のほとんどは目標物の追跡時間が最長でも1日12時間にとどまるが、10分間隔で24時間持続的に追跡する必要がある。また、人工知能(AI)の能力を向上させ、システム自体が情報を探し顧客の労力を省けるようにするべきという。顧客にクラウド経由で情報を提供できる「サービス衛星(Satelite as a Servie)」を創出し、同サービスを事業として構築することを目指している。

IAI は軍用機・民間機を製造するほか、イスラエルの宇宙プログラムの主力請負業者として衛星を製造し、機能的な衛星システムを提供している。2017年に地元ベン・グリオン大学のためのプロジェクト衛星「BGUST」を打ち上げた。1年以内に新たに衛星を打ち上げるほか、商業用衛星の製造も計画している。次世代衛星の開発では世界で最高レベルの高解像度によるビデオ映像の実現化も目指している。

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