ルーマニアの二次電池メーカー、26年までに生産能力8GWhを整備

●投資額10億ユーロ、EU系投資機関から出資を受け入れ

●24年に操業開始、原料は中国から輸入

ルーマニアの二次電池メーカー、プライム・バッテリーズ・テクノロジー(PBT)が、生産能力の大幅増強に10億ユーロを投資する。2026年までに現行の0.2ギガワット時(GWh)から8GWhに引き上げる。これに伴い、欧州連合(EU)系の投資機関EITイノエナジーから出資を受け入れるが、詳細は明らかにされていない。

プロジェクトは2段階に分けて実施される。第一期投資では2億ユーロを投じて、PBTの生産拠点のあるブカレスト近郊のチェルニカに年産能力2GWhの工場を建設する。24年に操業を開始する。第二期投資は26年までで、最終的に8GWhの生産能力を整備する。

原料であるリチウム、ニッケル、銅、アルミニウムは中国から輸入する。自動車産業以外にも、産業用途、再生可能エネルギーの蓄電用途を視野に入れている。

プロジェクト資金の30~35%は再生エネに特化した複数の投資ファンドから調達し、残りは融資で賄う。また、政府助成も申請する。

2021年のリチウムイオン電池の平均価格(推定135米ドル)を基にすると、同社の年間売上高は昨年の800万ユーロ弱から26年には10億ユーロへ増加する計算になる。

PBTは2016年の創業。現地経済ニュースサイト「プロフィット.ro」によると、南東欧でリチウムイオン電池を生産している唯一の企業という。また、やはり現地のニュースサイト「ホットニュース.ro」によると、今回のEITイノエナジーの出資以前の段階では、ルーマニアの自動車用鉛バッテリーメーカー、ロンバットの親会社である南アのメテア・グループが10%を同社に出資していた。

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