チェコが緩やかに景気後退中、今年の経済成長率2.4%―財務省予測

●緩やかな景気後退は来年初めまで続く

●来年通年で0.2%のマイナス成長に落ち込む=財務省予測

チェコのスタニュラ財務相は9日、同国経済が現在、「緩やかな景気後退状態にある」との見方を明らかにした。ただ、ドイツ、イタリアなど欧州の経済大国も同様で、それ自体は「悲劇ではない」と述べた。財務省の11月の経済予測によると、今年の経済成長率は8月予測から0.2ポイント上方修正されたものの、2.4%にとどまる見通しだ。今年1-6月期は前年同期比4.2%で、昨年の3.3%からさらに堅調な展開となっていた。

緩やかな景気後退は来年初めまで続き、来年通年で0.2%のマイナス成長に落ち込むと財務省は予測する。引き続き物価高騰の影響で個人消費がやや落ち込む半面、公共支出と固定資本形成は伸びる傾向だが、在庫減少により経済成長が著しく減速すると見ている。

エネルギー輸入をほぼロシアに依存していたチェコは、ウクライナ戦争を発端に前例のないエネルギー価格高騰に見舞われた。スタニュラ財務相は、これがインフレを煽り、大きな経済問題となっていることを指摘。インフレ率は9月に18%まで上昇したが、家計のエネルギー支出負担の軽減を目的としたエネルギー節約プログラムにより、通年では15%、来年は9.5%まで低下すると予測する。

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