イスラエル、フィリピンで淡水化・下水処理技術の需要見込む

●「淡水化技術がセブ島の水不足解消に向けた選択肢の一つ」

●イスラエルは淡水化施設で年間約6.6億リットルの飲料水を生産

イスラエルの水道技術業界が、新たな輸出先としてフィリピンに注目している。今月にはイスラエルの業界大手7社の代表がフィリピンを訪れ、現地企業の代表と会合した。来年7月にはイスラエル経済産業省貿易局がフィリピンから代表団を招き、イスラエルにおける水管理の実際を紹介する計画だ。淡水化施設から配水設備、下水処理・再利用まで、イスラエルの水管理全体がフィリピンのモデルになりうるとみている。

在マニラ・イスラエル大使館のトメル・ヒヴイ(Heyvi)商務官は、イスラエルの水道技術を紹介する催しで地元メディアに対し、「淡水化技術がセブ島の水不足解消に向けた選択肢の一つ」という考えを示した。そのうえで、淡水化施設が5カ所にあるイスラエルの経験が、フィリピンでも活かせるかもしれないと話した。

来年7月の視察旅行には、マニラで上水道サービスを提供する大手水道会社などを招く予定だ。ヒヴイ商務官は、すでにフィリピンでバルブや流量計など、イスラエルの機器が使われていることに触れたうえで、淡水化や先進的汚水処理など、フィリピンに有益な技術がまだまだたくさんあると自信を示した。

イスラエルによると、同国では淡水化施設で年間約6億6,000万リットルの飲料水を得ている。また、下水処理施設で処理された水の87%が農業用水などとして再利用されている。農業はイスラエルの水消費量の55%を占め、処理水が主要水源だ。

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