JAEA、ポーランドのNCBJと研究炉開発で協力

●高温ガス炉の研究炉の基本設計などが協力分野として追加

●同国政府は30年代に商用高温ガス炉(165MW)を導入する計画

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)は22日、ポーランド国立原子力研究センター(NCBJ)と2019年9月に締結した「高温ガス炉技術分野における研究開発協力のための実施取決め」の改訂で署名を交わしたことを明らかにした。同研究炉の基本設計などが新たな協力分野として追加される。

ポーランド政府は脱炭素化実現に向け、石炭火力に代わる化学産業の熱源として次世代原子炉として注目される高温ガス炉の利用に注目している。2020年代後半に高温ガス炉研究炉(熱出力30メガワット(MW))、30年代に商用高温ガス炉(熱出力165MW)を導入する計画に基づき、NCBJが昨年、高温ガス炉研究炉の基本設計を開始した。JAEAからはこれまで高温ガス炉の設計研究や人材育成などで協力支援を受けてきたが、今回の改訂でさらに協力を深化させる。

JAEAは高温工学試験研究炉(HTTR)の建設及び運転を通じて高温ガス炉技術を確立している。9月には英国とも同技術分野で新たな協力関係を築いており、国際協力を通して高温ガス炉技術の高度化、国際標準化をさらに進め、国際競争力を強化することを目指している。

上部へスクロール