伊電力最大手エネル、ルーマニアから撤退

●同社はルーマニアに300万の顧客を持ち、3,100人を雇用

●複数国で計210億ユーロの資産を売却し、負債を圧縮する

伊電力最大手エネルは22日、ルーマニアから2023年に撤退すると発表した。これに先立ち公開された2025年までの事業計画によると、同社は複数の国に持つ子会社を売却し、欧州ではイタリアとスペインでの事業に集中する。計210億ユーロの資産を売却することで負債を圧縮し、事業を継続する国に経営資源を集中する方針だ。

エネルのフランチェスコ・スタラチェ最高経営責任者(CEO)はルーマニアでの事業見直しについて、政府の規制が撤退の理由ではないと述べた。同社はルーマニアに300万の顧客を持ち、3,100人を雇用している。

エネルのグリーンエネルギー部門のエネル・グリーンパワーは2021年3月、再生可能エネルギー事業を手掛けるモンソンとの間でルーマニアに計1,000メガワットの風力及び太陽光発電施設を建設することで合意していた。エネル・グリーンパワー・ルーマニアは風力と太陽光発電施設12カ所を持ち、設備容量は計534メガワットに上る。

同じくグループ会社のエネル・エネルギエとエネル・エネルギエ・ムンテニアは同国で電力と天然ガスを供給している他、家庭向けの支援サービスを提供している。ディマンドレスポンス関連技術を提供するエネルXも同国に子会社を持つ。

エネルは事業計画で欧州を含む世界各地での事業の見直しを打ち出している。欧州ではオーストリアやギリシャでの受託生産を検討する他、南米のペルーとアルゼンチンからの撤退を決定している。

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