2022/12/7

総合・マクロ

ハンガリーなど4カ国が天然ガス回廊の実現で合意

この記事の要約

●ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャの4カ国●「垂直ガス回廊」は欧州の南北間でガスを双方向に輸送ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャの4カ国は1日、天然ガス供給網の相互接続と輸送能力の向上に向け協力する […]

●ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャの4カ国

●「垂直ガス回廊」は欧州の南北間でガスを双方向に輸送

ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャの4カ国は1日、天然ガス供給網の相互接続と輸送能力の向上に向け協力することで覚書(MoU)を交わした。4カ国を経由して欧州の南北間でガスを双方向に輸送する「垂直ガス回廊」の実現に一歩、近づいた格好。欧州のガス調達の多様化とエネルギー安全保障の強化につながる。

覚書によると、4カ国はパイプラインの新たな敷設や接続工事、既存の供給網の強化など技術要件を調査し、欧州連合(EU)のエネルギー戦略に合致する形でプロジェクトを進める。覚書は3年間有効で、1年延長のオプションが付く。4カ国は2016年に「垂直ガス回廊」の実現に必要なインフラ開発で合意しており、今回の覚書はこれに基づいたものとなる。

覚書は同日にアテネで開催された第22回世界液化天然ガス(LNG)サミットに合わせ、ギリシャのDESFA、ブルガリアのブルガルトランスガス、ハンガリーのFGSZ、ルーマニアのSNTGNトランスガスのガス輸送4社と、ブルガリアとギリシャを結ぶ天然ガスパイプライン「インターコネクター・ギリシャ・ブルガリア(IGB)」の運営企業ICGB(ブルガリア)、およびギリシャ北部アレクサンドルーポリ港の浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU)開発企業ガストレード(ギリシャ)の2社によって署名された。

IGBの年間輸送能力は現在30億立方メートル。ICGBの関係者は、DESFAと協力して同能力を年間50億立方メートルまで引き上げられると述べ、24年にアレクサンドルーポリ沖のFSRUが予定する試運転に合わせて実行されるとの認識を示した。ブルガリアはロシア産ガスに対するルーブル払いの要求を拒否した後、同国からの供給が途絶している。

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