●全長170キロのパイプライン、輸送能力は18億立方メートル
●欧州委は総工費8,550万ユーロの大半を拠出
ブルガリアで1日、セルビアと自国の天然ガス輸送網を結ぶ接続管(インターコネクタ、IBS)の敷設工事が始まった。ソフィア北郊のノヴィ・イスクルとセルビアのニシュを結ぶ全長170キロのパイプラインのうち、ブルガリア領内の62キロの区間を対象としている。セルビア領内の108キロの区間は昨年2月に着工した。パイプラインは今年10月に稼働開始の予定で、輸送能力は18億立方メートルに上る。
IBSの総工費は8,550万ユーロ。稼働により、ブルガリアは欧州市場へのアクセスが拡大し、現在ロシアからのみ天然ガスを輸入しているセルビアは新たな調達先を確保できる。
IBSの敷設は中欧・南東欧地域のガス供給を多様化する欧州連合(EU)の戦略の一環で、EUはブルガリア領の工事について、「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ」(CEF)の枠組みから2,760万ユーロ、EU構造基金から600万ユーロを拠出した。セルビア側についてはEUの加盟前支援措置(IPA)を通じ4,960万ユーロを助成している。