●銅カソードの処理容量を12万トン増やし34万トンに拡大
●アウルビスが同国に進出した2008年以来、最大の設備投資に
独精銅大手アウルビスのブルガリア法人は16日、ソフィア州にあるピルドプ工場の電解精錬用タンクハウスの容量を拡張すると発表した。銅カソードの処理容量を12万トン増やし34万トンに拡大する。2026年後半に試運転を行う予定。完成後は年間で3,000万ユーロの利益増を見込む。投資額は1億2,000万ユーロで、アウルビスが同国に進出した2008年以来、最大の設備投資となる。
容量拡張を通じ、工場で生産された銅アノードをすべて銅カソードに処理できるようになる。これにより精錬所ネットワークにおける材料の流れを最適化するとともに、物流コストと、それに伴う二酸化炭素(CO2)排出量を削減する。
ピルドプ工場では銅アノードと銅カソードのほか、硫酸、ケイ酸鉄を生産している。銅の生産において、電気分解は最終的な精製工程(精錬)にあたる。電解槽では、不純物を含んだ銅から鋳造したアノードを硫酸溶液につけることで不純物が溶け出し、銅含有量が99.99%の高純度のカソードが得られる。