●BEVが必要とする機能の開発に全責任を負う技術ハブとして整備
●年末までに稼働開始の予定、当初はエンジニア約120人を雇用
スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーは2月27日、ポーランド第2の都市クラクフにソフトウエア開発拠点を開設すると発表した。同社の中核となる完全電気自動車(BEV)がソフトウエア定義車(SDV)として開発されることを踏まえたもの。今後のBEVモデルが必要とする機能の開発に対し全責任を負う技術ハブとして整備する。
新拠点は年末までに稼働を開始する予定。当初は約120人のエンジニアを雇用し、2020年代半ばまでに500~600人に増やす。中国の上海とスウェーデンのヨーテボリにある同社のエンジニアリング・ハブやその他の技術拠点と密接に連携する。
クラクフの拠点では、安全の根幹技術をはじめ、認識および運転支援アルゴリズム、自動運転用ソフト開発に焦点を当てる。また次世代のコネクテッド機能の開発や、データ分析を通じた開発作業のサポートも行う。
ボルボ・カーは30年までに純粋な電気自動車メーカーとなる目標を掲げており、ソフト開発はそのカギになるとみている。同社のジム・ローワン最高経営責任者(CEO)は次世代モデルについて、社内開発のソフトを実行する最先端の車載コンピューターを搭載し、ソフトの無線更新(OTA)により常時アップデートされる「車輪付きのコンピューター」だと表現。クラクフの拠点および車内ソフト開発能力の強化が成功のカギを握ると述べた。
同社はクラクフについて、新興の技術都市であり、国内に拠点を置く他のグローバルテック企業にもあまり知られていないと指摘。同市が地域のテック企業の広範なネットワークを持つほか、大規模な電気通信セクターの存在と世界中から優秀な人材が集まっていることを拠点設置の理由に挙げた。