2023/3/1

総合・マクロ

トルコ中銀が0.5ポイント利下げ、大地震の影響緩和を優先

この記事の要約

●政策金利8.5%、経済活動の支援に焦点●インフレ率は3カ月連続で低下、中銀は地震の影響を注視トルコ中央銀行は2月23日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を0.5ポイント引き下げ、8.5%に設定した。 […]

●政策金利8.5%、経済活動の支援に焦点

●インフレ率は3カ月連続で低下、中銀は地震の影響を注視

トルコ中央銀行は2月23日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を0.5ポイント引き下げ、8.5%に設定した。利下げは同国南部で発生した大地震の影響を踏まえたもので、市場の予想通り。インフレ率も低下しており、経済活動の支援に焦点を置く。中銀は前回まで2会合連続で金利を据え置いていた。

今月6日にトルコとシリアの国境沿いで発生したマグニチュード7.8の大地震はトルコ側だけでも4万6,000人以上の死者を出しており、過去1世紀で同地域最悪の地震災害となっている。中銀は声明で、鉱工業生産の成長と雇用の伸びを震災後も維持するため財政状況の下支えが重要だと強調した。「地震は経済活動に短期的な影響を与えるが、永続的な影響はない」と予想している。

同国のインフレ率は1月に57.68%となり、12月(64.27%)から6.59ポイント低下した。インフレ率の低下は3カ月連続。エネルギー価格の下落に加え、比較対象となる前年同月のインフレ率が48.69%と高水準だったことによるベース効果が大きい。中銀はインフレ圧力が緩和されているとの見方を示しつつ、地震による需給の不均衡がインフレに与える影響を注視するとしている。

今回の震災の復興費用は数百億から1,000億米ドル規模に上ると見積もられている。蘭ING銀は、同費用の追加的な財政負担と中銀の支援姿勢がインフレに圧力をかける可能性が高いとみている。

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