伊エネルのルーマニア事業、ギリシャ電力公社に12.6億ユーロで売却

●事業再編の一環、企業価値を約19億ユーロと評価

●エネルはルーマニアに300万の顧客を持ち、3,100人を雇用する

伊電力最大手エネルは9日、ルーマニア全事業の売却でギリシャの国営エネルギー企業PPCと合意したと発表した。2025年までの事業再編計画の一環。取引額は12億6,000万ユーロで、企業価値を約19億ユーロと評価している。独禁当局の許可を経て、今年7-9月期(第3四半期)までの手続き完了を見込む。

エネルはルーマニアに300万の顧客を持ち、3,100人を雇用している。グリーンエネルギー部門のエネル・グリーンパワーは2021年3月、再生可能エネルギー事業を手掛けるモンソンとの間で同国に計1,000メガワットの風力及び太陽光発電施設を建設することで合意していた。エネル・グリーンパワー・ルーマニアは風力と太陽光発電施設12カ所を持ち、設備容量は計534メガワットに上る。 同じくグループ会社のエネル・エネルギエとエネル・エネルギエ・ムンテニアは同国で電力と天然ガスを供給している他、家庭向けの支援サービスを提供している。ディマンドレスポンス関連技術を提供するエネルXも同国に子会社を持つ。

エネルは昨年11月に発表した2025年までの事業計画で、複数の国に持つ子会社を売却し、欧州ではイタリアとスペインでの事業に集中方針を打ち出した。計210億ユーロの資産を売却することで負債を圧縮し、事業を継続する国に経営資源を集中する狙いだ。

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