●インフレ率を確実に押し下げるため高金利を維持
●中銀の金融緩和開始は2024年後半か=市場予想
ポーランド中央銀行(NBP)は5日、主要政策金利である7日物レファレンス金利を6.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは7会合連続。中銀は2021年10月から22年9月にかけて11会合連続で利上げを実施した。経済成長の鈍化が見込まれる中、インフレ率を確実に押し下げるため高金利を維持する。ロンバート金利は7.25%に、公定歩合(再割引率)は6.8%に、預金金利は6.25%にそれぞれ据え置いた。
同国のインフレ率は3月に16.2%となり、前月から2.2ポイント縮小した。燃料・エネルギー価格の下落が大きい。中銀は年間インフレ率について、今年の10.2~13.5%から24年には3.9~7.5%へと低下し、25年は2~5%と目標値の2.5%に近づくとみる。
国内総生産(GDP)成長率は昨年10-12月期(第4四半期)に前期から1.6ポイント減の2%に低下し、3四半期連続で縮小した。今年1-3月期(第1四半期)は1.2%のマイナス成長が見込まれている。
中銀は声明で、同国のインフレ率は主に消費の鈍化に伴うGDP成長率の縮小により低下すると予想。世界的な景気低迷と商品価格の下落によりディスインフレ効果が現れると判断し据え置きを決めたと説明した。また、為替相場におけるズロチの変動を抑えるため市場に介入する方針も繰り返した。
蘭ING銀は、インフレの鈍化ペースの遅さと、持続的なインフレリスクの高さのため、中銀の金融緩和は2024年後半になると予想している。