正極材最大手の韓国エコプロ、ハンガリー工場着工

●EV135万台分に相当する10万8,000トンの年産能力を整備

●韓国のバッテリー材料メーカーが欧州に置く初めての工場

韓国のバッテリー正極材最大手エコプロBMは21日、ハンガリー東部のデブレツェンで工場を着工した。電気自動車(EV)の車載電池換算で135万台分に相当する10万8,000トンの年産能力を整備し、急成長する欧州EV市場の需要を取り込む。投資額は3,827億ウォン(約2億8,600万米ドル)。韓国のバッテリー材料メーカーが欧州に生産拠点を置くのはこれが初めて。

敷地面積44万2,820平方メートルの新工場を来年末までに完成し、2025年から生産を開始する予定。製品はブダペスト近郊にあるサムスンSDIのバッテリー工場に供給する。

正極材は負極材、セパレーター、電解質と並ぶEV電池の主要部品。主に希土類のニッケル、リチウム、コバルト、マンガンからできており、鉱物価格の高さから電池の総コストの40%を占める。エコプロはリチウムイオン電池用正極材の有力企業で、ニッケル含有率が80%以上のハイニッケル正極材CSGの生産を世界に先駆けて開始した。年産能力を26年までに48万トン(EV600万台分に相当)に拡大する目標を掲げる。

ハンガリーにはサムスンSDIやSKグループ、日本のGSユアサなどバッテリー大手の工場が集積する。欧州のEV電池産業ハブとして急成長中で、SKグループは現在、22億9,000万ドルを投じて工場を建設している。

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