ポーランド自動車産業輸出高、昨年は過去最高の397億ユーロ

●景気回復に高インフレが加わり、売上高を押し上げた

●自動車産業は輸出の主力、国内経済の主要な柱

ポーランドの自動車市場調査会社オートモーティブ・サプライヤーズが18日発表したリポートによると、国内自動車産業の2022年輸出高は前年比21.6%増の397億ユーロとなり、史上最高を更新した。景気回復に物価高が加わり、売上高を押し上げた。依然として自動車産業が輸出の主力を担い、国内経済の主要な柱となっている。

昨年は2月24日にロシアが対ウクライナ全面侵攻を開始したことでサプライチェーンが混乱し、欧州連合(EU)加盟国の多くで工場が操業を停止した。その影響で、ポーランド自動車産業の3-4月期輸出高は前年同期を下回った。しかし、5月以降は拡大が続き、8月から10月まではいずれも前年同月比で50%以上、上昇した。また、10月と11月の月間輸出高は40億ユーロを突破した。

自動車産業輸出では従来から部品・付属品が最も多い。これらの製品の輸出高は昨年、18.7%増の142億9,000万ユーロの過去最高を記録した。

2位のリチウムイオン電池は25%増の84億8,000万ユーロだった。仕向け先はドイツが1位で半分以上を占めた。これにメキシコ(13.2%)、フランス(8.5%)が続いた。

乗用車・バンの輸出高は12.4%増の54億6,000万ユーロで、前年実績を12.4%上回った。今年もステランティスのグリヴィツェ工場の増産、ティヒ工場の稼働が予定されることから、輸出拡大が見込まれる。

輸出好調は自動車産業全体の業績改善を示している。2022年の自動車・トレーラー・セミトレーラー生産高は2,033億ズロチ(484億米ドル)と、初めて2,000億ズロチを突破した。中堅企業・大企業も過去最高の生産高を記録した。

一方、22年末現在の業界従事者数は約19万6,600人で、1年前より1.7%減少した。ただし、9月末からは減っておらず、雇用縮小がストップした形だ。(1PLN=32.79JPY)

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