●最大積載量は3.5トン、競合VW「ID.buzzカーゴ」の5倍以上
●独自のシャシ「ソクウ(sokol)」は60~110kWhの電池を搭載可
ポーランドの新興企業イノベーションAGが独自開発した電動バン「e-Van」が、路上走行試験で航続距離396キロを達成した。現在、市場で手に入る電動バンで400キロを超えるのはフォルクスワーゲン(VW)の「ID.buzzカーゴ」(425キロ)だけ。しかし、e-Vanの最大積載量が3.5トンと、ID.buzzカーゴの5倍以上であることを勘案すると、その性能が明確となる。
イノベーションAGは、ドイツとチェコとの国境に近いズゴジェレツに拠点を置き、特殊自動車の改造や修理を手がける。電動バンの開発は、ポーランド経済省に付属する国家研究開発センター(NCBR)のコンテストに参加したのを機に本格化 した。
e-Vanのプロトタイプは、1トンの荷を乗せたダイナモテストで航続距離343.3キロ、空荷の路上走行試験(高速道を含む)では396キロを達成した。開発の要であるシャシ「ソクウ(sokol)」については、ライセンス生産に関心を持つ投資家も多く、現在交渉を進めているところという。ソクウは60~110キロワット時のバッテリーを搭載できる。
イノベーションAGの開発した電動車はこれまでに鉱山やクルコノシェ国立公園で運行されている。また国内初の電動救急車も同社が手がけた。
イノベーションAG社ホームページ