ロシア国営ガス会社ガスプロムは7日、ロシア沖の黒海で天然ガスパイプライン「トルコ・ストリーム」の工事に着手したと発表した。欧州への新たなガス輸送路と位置付けており、2019年末に稼働する計画だ。
「トルコ・ストリーム」は欧州との関係悪化で中止された「サウス・ストリーム」に代わるパイプライン計画。トルコに至る年間輸送能力157億5,000万立法メートルの輸送管を2本敷設する。現在、欧州への主要輸出ルートとなっているウクライナを迂回する狙いで、ガスプロムは同国との輸送契約が切れる19年末までの稼働を目指している。
本来の計画では2015年の着工予定だったが、ロシアとトルコの政府間協定交渉に時間がかかったことにロシア軍機撃墜事件以降の両国関係悪化が重なり、実施が遅れていた。