トルコの6月インフレ率15.4%に急伸、リラ安で輸入品が高騰

トルコ統計局(TUIK)が3日発表した6月の消費者物価指数(CPI)の上昇幅は前年同月比で15.4%となり、前月の12.1%から3.3ポイント拡大した。これは2004年1月(16.2%)以来の高水準。通貨リラ安で燃料や食品などの輸入品価格が押し上げられた。インフレ率の上昇は3カ月連続。過去12カ月の平均上昇率は11.5%だった。

分野別にみると、構成比重の大きい「運輸(自動車用燃料を含む)」が24.3%(前月は20%)、「食品・ノンアルコール飲料」が18.9%上昇した(同11%)。このほか「家具・家庭用品」(18.9%)、「その他の商品・サービス」(16.8%)、「宿泊・外食」(13.3%)、「住居費・公益料金」(12%)、「衣類・靴」(11.3%)、「教育」(10.8%)で上げ幅が大きかった。

上昇率が最も小さかったのは「アルコール飲料・たばこ」で、1.1%だった。値下がりが続いていた「通信」は4.9%値上がりした。

トルコでは経常収支の悪化や、金融政策への介入を示唆するエルドアン大統領の発言などの影響でリラ安が止まらず、5月中旬には対ユーロの下落率が25%に達した。これを受けて同国中銀は同月28日、主要政策金利を後期流動性貸出金利から7日物レポ金利に戻したうえで、8%から16.5%へと大幅に引き上げる抜本的な変更を実施。6月7日には同金利をさらに引き上げて17.75%とした。

為替市場ではこれを好感してリラが反発したものの、長くは続かなかった。今回の統計局の発表を受けて同日の対ユーロ相場は約1.5%下落した。

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