チェコ統計局(CSU)は3日、2019年10-12月期(第4四半期)の経済成長率を従来発
表の前年同期比1.7%から1.8%へ上方修正した。通期成長率は2.4%で変わりな
かった。しかし、10-12月期、通期とも前期実績をそれぞれ0.6ポイント、0.4ポイ
ント下回り、景気の減速傾向が鮮明になっている。国営チェコ通信集計のアナリス
ト予測では、今年通期の成長率は2%を割りそうだ。
2019年通期の産業別粗付加価値(GVA)をみると、建設業とサービス業はおおむね
好調だったが、製造業は縮小した。成長のけん引役は主に消費と投資が担った。
エコノミストらは以前から同国の景気減速を見込んでいるが、具体的な数値の予想
にはさまざまな要因を踏まえる必要がある。CSOBのドゥフェク氏は、直近の問題で
ある新型コロナウイルスの影響を挙げる。同ウイルスの感染拡大に伴う需要縮小に
加え、自動車関連メーカーなど企業が投資計画をどう見直すかが重要な判断材料
だ。
ジェネラリ・インベストメンツCEEのヤーチ氏は他のアナリスト同様、今年上半期
の成長見通しを下方修正する必要があるとみる。同氏自身は1.6%前後を予測して
いる。