セルビア中銀が緊急利下げ、政策金利1.75%に

セルビア中央銀行(NBS)は12日に開いた臨時理事会で、政策金利を0.5ポイント引
き下げ、史上最低の1.75%に設定した。利下げは昨年11月以来4カ月ぶり。新型コ
ロナウイルスの感染拡大で世界経済の減速が懸念される中、大幅な利下げを行って
景気の底支えを図る。金利コリドー(政策金利と最高・最低金利の差)も従来のプ
ラスマイナス1.25ポイントから1ポイントに縮小した。
中銀は今回の利下げを国内経済の動向も踏まえて決定した。同国の1月のインフレ
率は前年同月比で2%となり、前月を0.1ポイント上回ったものの、依然として中銀
の目標である1.5〜4.5%の下限に近い水準にある。今後については、今年半ばまで
は目標範囲の下限寄りで推移し、その後は徐々に中間点に近づくとみている。
2019年10-12月期の国内総生産(GDP)は前年同期比で6.2%増加し、上げ幅は前期
を1.4ポイント上回った。これは2008年7-9月期(6.2%)以来の高い水準で、今後
もプラス成長が予想されている。
中銀は声明で、石油価格の低下がインフレ圧力を弱めていると指摘。「セルビアの
経済成長見通しは引き続き良好だが、低いインフレ圧力と世界情勢の不確実性は成
長の鈍化につながる可能性がある」として、国内経済への悪影響を最小限に抑える
ために利用可能なすべての手段で機動的に対応していく意向を表明した。

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